石川県金沢市の産婦人科クリニックで分娩整体をしている助産師平井ひとみです。

もちろん産前産後整体、そしてガスケアプローチクラスなど姿勢と呼吸、骨盤底筋群にも寄り添っています


さてさて今回は

私が関わった出産レポです


38週の初産婦さん

破水で入院。翌日の真夜中に自然陣痛が来て

朝の9時で4センチに。


申し送りでは

とにかく出口が狭くて、内診を本当に痛がる


そして、子宮口はかなり後ろの方、

なかなか指が届かないけど、

赤ちゃんだけが下がっている


なるほどー。

その申し送りの通り、出口は本当に狭くて

指3本入るか？というくらい。


聞くと

先天性の股関節脱臼だそうで、関係ありますか？


ありまくり！！


股関節周りの筋肉はガチガチの動かない

さらに

子宮も下がっている。。。


昔、子宮ごと下がっていて、子宮口はかなり後ろの方に向いている産婦さんに関わったことがあり


大変だったことを思い出しました。


とにかく子宮ごと下がっている方は

陣痛は弱い


だけど陣痛を強くすると子宮ごと下がるので、産婦さんが後々苦しむことになる。


今回もそのパターン


今回は子宮をとにかく上げることだけを考えようと、あれやこれやしてみました。


そして、

股関節に力が入らない姿勢をつくってみた。


ところが

10時30分から11時30分まで、6センチから全く開かなくなった


促進剤を使いたい。。。でも子宮ごと下がるので、使えない


子宮を上にあげたい

だけど呼吸では上がらない


骨盤を高くしてみたけど変化無し


子宮口が硬い側の整体(分娩整体)をして、

子宮口を柔らかくしてみながら


モヤモヤしているときに


産婦さんが「吐き気してきた」と。


おやおや？？？もしや？？これ行けるんじゃない？


大いに吐いて！！


すると

産婦さん：「吐き気がするだけで吐きまではしないです」


私：いやいやいやいや、これはしてみたいですね

「ちょっと吐くマネみてほしいなぁー。」


とあえて

おえーっ！てしてみた


とても腹横筋に力が入り、内臓が挙上されていたので、このまま30分したところで内診すると


12時30分には、ほぼ全開大に！！


これは

ブドウのように

赤ちゃんがぶりっと出てくるんだよね


でももちろんここからが戦い


出口が如何せん、狭い


最大限に広くなるように

分娩整体を使って、


横向きにして、おえっ！を続けてたところ


なんとなんと

思っていたよりも進むじゃないですか？


本能で任せてウォッチングをしていたら

骨盤後傾(骨盤だけ猫のポーズ)にしておえっ！ってしていました


ただ、

うまくはいっていたのですが、


陣痛が6分間隔で、なかなか次の陣痛がこない。。

そして弱い

そんなもんだから、進んでこない。。。


早くこーい！陣痛。。と言ったところで

先生から促進剤の指示をもらいました


13時に促進剤を使い

6分間隔も少しだけ短くなり(5分くらい陣痛が来なくなることがある)


13時30分に出産となりました


先生からは

95%頑張った！といわれました。あれっ？あとの5%は？？

すると

先生から

あとの5%はラッキーだった。


そう！

おえっ！という嘔吐がうまかった

これはラッキーかもしれない


こんなに難しいお産で、

間違いなく

なんも考えない助産師が担当していたら、


ラッキーが95%ないと

まずは産まれてなかったと思います


骨盤や筋肉、そして骨盤内臓などを内診でみてみると楽しいですね！